日本結核・非結核性抗酸菌症学会 THE JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS AND NONTUBERCULOUS MYCOBACTERIOSIS

学会について

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理事長の挨拶

日本結核・非結核性抗酸菌症学会 理事長 藤田 明
(東京都保健医療公社 多摩北部医療センター呼吸器内科 臨床顧問)

一般社団法人日本結核・非結核性抗酸菌症学会理事長の藤田 明でございます。
2020年1月1日付で、学会名を「一般社団法人日本結核病学会」から「一般社団法人日本結核・非結核性抗酸菌症学会」へ変更致しました。

日本結核病学会は大正12年(1923年)1月に北里柴三郎博士らによって結核研究の進展と結核対策を目的として設立された学会であり、先輩の諸先生は結核研究の進展と結核対策の推進、結核病患者の診療水準の向上に貢献してきました。また、2013年3月に一般社団法人化し、団体としての運営基盤を強化致しました長い伝統と実績がある学会であります。一方、非結核性抗酸菌症の研究と対策にも取り組んでおり、近年は総会・支部学会において非結核性抗酸菌症に関する演題発表がかなり増えてきております。今回、非結核性抗酸菌症にも積極的に関わることを名称上も明確に致しました。

本学会発足の1923年当時、日本における結核の対人口死亡率は人口10万人対200を超え、現在の100倍以上の数でした。では現在、もはや結核対策は保健医療の課題ではなくなったのでしょうか?
2018年の日本の新規報告結核患者数は、15,590名、潜在性結核感染症の届出数7,414名と、1~5類(全数届出対象)の感染症の中では最も多い報告数であり、また、残念なことに結核患者の約2割の方が亡くなられている現状があります。そして、世界的には結核の患者数900万人、死亡数150万人と、大規模な感染症であることには変わりません。

従来から、本学会による診断・治療、患者管理に関する提言は、結核治療の基準、DOTSや潜在性結核感染症の治療なども含め、国や自治体の結核対策に寄与してきました。結核対策をさらに加速させ、世界において低蔓延国入りすることが目標となっております。しかしながら、結核対策の進歩とは逆に、結核をみることができる医師や医療スタッフの減少が懸念されています。結核研究についてもアジア諸国に追い抜かされるのではないかという声も聞かれます。

結核との鑑別がしばしば問題となる非結核性抗酸菌症は、近年、患者数が急増し、しばしばマスメディアにも取りあげられるほどで、その対策も急務であります。日本結核病学会の時代から非結核性抗酸菌症の診断や治療に関する見解や指針を発表しておりますが、今後さらにエビデンスを蓄積し、学術研究を進めることが求められています。

2010年に、結核および非結核性抗酸菌症に対する適切な医療を推進することなどを目的として、「認定医・指導医認定制度」を設けました。また、医師以外の職種も本学会に入会可能な制度を有しており、2013年には、結核専門医療機関に限らず幅広い医療スタッフに結核に対して関心を持ってもらえるよう、「エキスパート制度」を立ち上げました。2016年以後の総会では、医療スタッフ向けのエキスパートセミナーを開催しています。新専門医制度対応としましては、結核・非結核性抗酸菌症は未承認領域でありますが、今後に向けてワーキンググループを設置して検討を始めました。また、学会賞制度を設けるなど、若手医師・研究者・医療関係従事者等の育成にも力をいれております。

日本結核・非結核性抗酸菌症学会として取組みを推進すべき課題は、数多く存在します。結核適正医療の徹底、高齢者結核、若年者における外国人結核の増加、免疫抑制宿主における治療関連による結核発病、薬剤耐性の結核菌の脅威、などの対策に加えて、世界共通の課題である革新的な結核診断技術や治療法の研究開発、そして、非結核性抗酸菌症に対する予防および治療法の確立、などです。
また、低蔓延化を見据えて重要なのは国際協力であります。結核罹患率が高い国の出身者からの結核発症が相対的に増加する可能性があります。海外の結核関連の学術団体とも連携を強化する必要性が高まるでしょう。

学会名を改称致しましたが、結核についてはこれまでと同様に、学術研究の推進と医療従事者の育成に取り組み、また、急増する非結核性抗酸菌症に対して研究や治療のブレイクスルーを目指して、学会として尽力していきたいと思います。
どうぞご支援、ご協力のほどよろしくお願い致します。

学会の概要と構成

  • 団体の規模 2019年3月31日現在
  • 団体の名称 一般社団法人 日本結核・非結核性抗酸菌症学会
  • 設立 大正12年1月27日
  • 会員数 4,136名
  • 活動範囲 全国
  • 役員名簿PDF(2020年9月1日)
  • 事業内容
  • 1. 学術総会,研究集会の開催
    2. 学会誌,関連研究文書の刊行
    3. 教育セミナーの開催
    4. 若手医師・研修者・医療関係従事者の育成
    5. 行政機関への勧告と提言
    6. 内外の学術団体との交流
    7. 学会賞の運営
    8. 結核・抗酸菌症認定医・指導医認定制度の運営
    9. ICD講習会の実施と申請
  • 法的根拠 : 一般社団法人
  • 学会の概要
    • 設立:大正12年
      結核が国民病と言われた時代,結核研究の進展と結核対策を目的として,北里柴三郎らによって設立された学会。
    • 姿勢
      長い歴史のなかで,日本の結核対策の推進や,結核患者の診療水準の向上に貢献し,その対策と研究に本学会が貫いてきた学問研修の推進,その成果を社会還元するという姿勢は,他の学問分野のモデルと言われている。
    • 結核の状況
      1990年代には,結核問題を軽視した結果,このまま消えていくと錯覚されていた結核が米国で反転上昇し,その対策と研究に多額の経費を使わざるを得なかった。
      いまなお最大級の「再興感染症」として脚光を浴び,現在では,エイズ・マラリアと並んで世界の三大感染症の一つとして世界的に研究・対策の優先課題となっている。

 

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