結核治療におけるレボフロキサシンの使用方法について
「結核医療の基準」の見直し─ 2008 年への追補(2)

日本結核病学会治療委員会   

平成21 年12 月   

 日本結核病学会では,平成15 年4 月に発表した「結核医療の基準」
の見直し─第2 報1) において,レボフロキサシンを結核治療に必要な
薬剤として初めて記載,平成20 年4 月には「結核医療の基準」
の見直し─ 2008 年2)においても,新たに使用可能となったキノロン
剤について記載した。
これらのキノロン剤のうち,海外における結核に対する長期使用の実
績の中でレボフロキサシン(LVFX)は結核菌に対して有効であると共
に副作用が少ないことも確認されている3)。
 平成21 年7 月よりLVFX 製剤は1 日1 回投与を基本とするクラビッ
トR錠500 mg,錠250 mg が承認発売された。
結核治療におけるLVFX の使用については先の本学会の見解で「体重1
kg あたり8 mg,1 日最大投与量600 mg」としていたが,本製剤の
発売にあたり結核治療における投与方法を再検討し,使用が長期にわ
たることも考慮したうえで下記の使用方法を推奨することとした。

               記

結核症におけるLVFX の使用は1 日1 回500 mg とする。
ただし,体重40 kg 未満は1 日1 回375 mg とする。
その他の用法・用量,使用上の注意については添付文書
を参照する。
なお,多剤耐性結核の治療に際して必要と判断される場
合に限っては500 mg を超えた用量とすることも検討する。(註)
Kekkaku Vol. 85, No. 1 : 7, 2010
 なお,本剤の適応菌種,適応症の中に結核菌,結核症は含まれ
ていない。結核治療において,多剤耐性結核または重篤な副作用
のため使用可能な抗結核薬が限られる場合にはキノロン剤は必須
の薬剤である。
特に多剤耐性結核の増加への対応は世界的に喫緊の課題となって
おりWHO 等の治療指針にもキノロン剤の必要性が記載されている。
このような中で,日本においてもレボフロキサシンが結核治療に
必要な場合に適正に使用可能となるよう切望するところである。

註:米国胸部学会の指針ではレボフロキサシンの用量は500 mg
〜 1 g となっている4) ことを参考にして,必要と判断された場
合には日本の添付文書用量を超えることを了解のうえ使用する。

〔文 献〕

1 )日本結核病学会治療委員会:「結核医療の基準」の見直し─
第2 報. 結核. 2003 ; 78 : 497_499.

2 )日本結核病学会治療委員会:「結核医療の基準」の見直し─
2008 年.    結核. 2008 ; 83 : 529_535.

3 ) El-Sadr WM, Perlman DC, Matts JP, et al. : Evaluation
of Intensive Intermittent-Induction Regimen and Duration
of Short- Course Treatment of Human Immunodeficiency Virus-
Related Pulmonary Tuberculosis. Clinical Infectious
Diseases. 1998 ; 26 : 1148_1158.

4 )American Thoracic Society, CDC, and Infectious Disease
Society of America : Treatment of Tuberculosis. Am J Resp
Crit Care Med. 2003 ; 167 : 603_662.

日本結核病学会治療委員会

委員長   重藤えり子
                     
副委員長  吉山  崇 
                    
委  員  藤兼 俊明  藤井 俊司  斎藤 武文  佐藤 和弘

      田野 正夫  露口 一成  小橋 吉博  藤田 次郎


(出典:結核.Vol.85, No.1: 7, 2010)

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