リファマイシン系抗生物質リファブチンの結核への使用について

(「結核医療の基準」の見直し―2008年への追補)

 平成20年8月   

日本結核病学会治療委員会

日本結核病学会治療委員会は、本年4月に「結核医療の基準」に関する見解を発表したところである。この中でリファンピシンについては、「多数の薬剤との薬物相互作用があるので注意が必要である。特にHIV感染者において抗ウイルス剤投与を必要とする場合にはリファンピシンに代わりリファブチンの使用を検討する。」と記載した。リファンピシンと同じリファマイシン系の抗生物質であるリファブチンは、その薬物相互作用がリファンピシンよりも弱く、上記の抗ウイルス剤との併用も可能である。この度、リファブチンが抗結核薬として2008年7月に承認され、今後薬価収載される見込みであるので、結核治療における本剤の使用について先の見解に追加する。

〔リファブチンの使用を検討すべき状況

結核治療においてリファンピシン感受性菌による感染であってリファンピシンの使用に支障がない場合にはリファンピシンを使用するが、以下の場合にはリファンピシンに換えてリファブチンの使用を検討する。

@薬剤相互作用のためリファンピシンの使用が制限される場合、特に、抗
  HIV薬であるプロテアーゼ阻害薬、非核酸系逆転写酵素阻害薬使用時

A副作用のためリファンピシンが使用できない場合

〔用法・用量〕

5mg/体重kg、一日最大量 300mg、1日1回
用量は抗HIV薬、特にエファビレンツ等の使用によりリファブチンの血中濃度の低下が予想されるとき、その他必要なときには、1日最大量450mgまで増量を検討する。
なお、HIV非感染者においては、週2回または3回の間欠療法に用いてよい。用量は毎日投与と同じとする。

〔使用上の留意点〕

@肝酵素誘導による薬物相互作用はリファンピシンよりは弱いが、リファブ
チンにも存在するので考慮する必要がある。

Aリファブチンとリファンピシンの副作用は肝障害、体液の着色等につ いて
同様である。その他の副作用も共通の部分が多いので、副作用のため
リファンピシンに換えてリファブチンを使用する場合には、慎重な観察が必
 要である。

Bリファンピシンに耐性の結核菌は一部を除きリファブチンにも耐性であ
る。多剤耐性結核菌への本剤使用については、その薬剤感受性検査の方
法等も含め今後も経験を蓄積してゆく必要がある。

文献
1. 日本結核病学会治療委員会:「結核医療の基準」の見直し―2008年.結   核.2008;83:529-535.


2.Davies G, Cerri S, Richel L : Rifabutin for treating pulmonary
tuberculosis.Cochrane Database Syst.Rev. 2007;17:(4)・CD005159.



日本結核病学会治療委員会
委員長 重藤えり子
副委員長 和田 雅子
委 員 高橋 弘毅 藤井 俊司 斎藤 武文
佐藤 和弘 田野 正夫 露口 一成
小橋 吉博 藤田 次郎

(出典:結核.Vol.83, No.10: 679, 2008)

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