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平成20年4月 |
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[基本的な考え方] 1.外科治療の主体は肺切除術である。菌量減少目的に空洞切開は行われた報告があるが,空洞虚脱目的の胸郭成形術や空洞切開+筋肉充填 +胸郭成形などの成績は報告されていない。 2.治療の目的は病状のコントロールであり,病巣が限局している場合でも相対的治癒であって根治的治癒ではない。 3.術前後の化学療法は必須である。散布源となる粗大病変のない術後こそ相対的に非力な現今の化学療法で あっても効果発揮の最適次期であるという集学的治療の観点が必要である。 4. 単一大空洞や荒蕪肺,その他の大量排菌源となる粗大病変を摘除することにより,一時的あるいは一過性で あっても病勢の進行抑制や遅延で外科治療が有用な場合が少なからずある。 5.周辺散布巣を伴わない非結核性抗酸菌による周縁明瞭な孤立結節の外科摘除例では,術後化学療法が必要かどうかはエビデンスがなく 今後データの集積が必要と考える。但し周辺散布巣がないという確認は1pスライスCT では不十分でthin section HR-CT などによる確認が必要である。 6.術後の予後追跡や調査は外科,内科が共同で行うことが望ましい。 [指 針] 1.外科治療(肺切除術)の適応 (1)排菌源または排菌源となりうる主病巣が明らかで,かつ以下のような病状の場合 ・化学療法にても排菌が停止しない,または再排菌があり,画像上病巣の拡大または悪化傾向が見られるか予想される。 ・排菌が停止しても空洞性病巣や気管支拡張病変が残存し,再発再燃が危惧される。 ・大量排菌源病巣からのシューブを繰り返し,病勢の急速な進行がある。 (2)喀血,繰り返す気道感染,アスペルギルスの混合感染例などでは排菌状況にかかわらず責任病巣は切除の対象となる。 (3)非結核性抗酸菌症の進行を考えると年齢は70歳程度までが外科治療の対象と考えられるが,近年の元気な高齢者の増加や,症状改善の期待などを考慮すると70歳代での手術適応もありうる。 (4)心肺機能その他の評価で耐術である。 (5)対側肺や同側他葉の散布性小結節や粒状影は必ずしも切除の対象としなくてよい。 2.術式 (1)主として肺切除術を行う。 (2)病巣は経気道的に拡がるので,周辺散布性病巣,気道散布病巣を伴う場合は部分切除では切離断端に 病巣がかかる可能性がある。したがってこの場合は気道の拡がりに沿った切離方法(区域切除以上)を採用した方がよい。 (3)空洞切開は気道への菌の流れ込みを減少させる点から有用である。 3.外科治療の時期 少なくともある程度の化学療法の有効性はあり,また菌量の減少を図る目的のためにも緊急の場合を除いて 術前3〜6ヵ月程度の化学療法は行われるべきである。 4.術後の化学療法 基本的考えで述べたように術後化学療法を行うべきである。レジメは術前と同一でよい。期間は,術後半年で は再燃傾向が高いとの報告がある。しかし一方いつまで行うべきかとのエビデンスはない。主排菌源病巣は除 去されているので,内科的治療における「排菌停止後少なくとも1年間」に準じ,かつ経験的にも少なくとも術後 1年以上が妥当かと思われる。さらに化療終了後再燃・再発例がみられることがあるので,化療終了後でも画像, 痰検査等で経過観察を怠らず,再燃・再発が疑われたら化学療法を再開することを検討すべきである。 |
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| 委員長 | 倉島 篤行 | |||
| 副委員長 | 鈴木 克洋 | |||
| 委 員 | 網島 優 |
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小川 賢二 | 加治木 章 |
| 桑原 克弘 | 白石 裕治 | 多田 敦彦 | 徳島 武 | |
| 中島 由槻 | 長谷川直樹 | 藤田 明 | 本間 光信 | |
| 渡辺 真純 | ||||
(出典:結核.Vol.83,No.7: 527-528, 2008)
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